設計図書(せっけいとしょ)

住宅建築における工事内容を指示するための各種書類を総称して「設計図書」と呼びます。
平面図や立面図などのいわゆる設計図のほか、内外装などの下地・仕上げなどを記した「仕上げ表」、図面では表せない工事方法について指示する「仕様書」があります。
図面の種類は建物の構造・規模によって異なります。
なお、建設前は「設計図書」と呼ばれ、竣工後は「竣工図書」と呼ばれます。

一般的に設計図書には、次のような図面類が用意されています。   
 
〈基本計画〉
(1) 配置図平面図
(2) 断面図あるいは立面図(1~2面)   
 
〈基本設計〉
(1) 仕様概要表
(2) 仕上表
(3) 配置図(1階平面図と兼ねる場合もあります)
(4) 平面図(各階)
(5) 断面図・立面図(各面)
(6) 設備位置図(電気・水道・ガス・換気空調設備等)
(7) 工事費概算書   
 
〈実施設計〉
(1) 特記仕様書
(2) 仕様概要表
(3) 仕上表
(4) 面積表・敷地案内図
(5) 配置図(1階平面図と兼ねる場合もあります)
(6) 平面図(各階)
(7) 断面図・立面図(各面)
(8) 矩計図(かなばかりず)
(9) 基礎伏図・床伏図(各階)・小屋伏図
(10) 天井伏図
(11) 展開図
(12) 建具表
(13) 設備位置図(電気・水道・ガス・換気空調設備等)
(14) 工事費概算書
(15) 確認申請図書

 

マンションに関する設計図書では、次の書類を特に注意深く確認しましょう。

〈意匠関係〉
・タイプ別平面詳細図(住戸タイプ別の間取りを詳しく示したもの。パンフレットの間取りより詳細な間取りや細かい寸法がわかります)
・矩計図(建物の断面詳細図。各部分の高さや、材料、仕様を示し、天井の高さ、床や天井の仕上げなどが確認できます)
・展開図(各住戸の東西南北の壁を連続した立面として描いた図。壁面の仕上げ、窓やドアなどの開口部の大きさ、設備器具の取り付け位置がわかります)

〈構造関係〉
・構造仕様書(コンクリートの種類、品質、基準強度などが確認できます)
・ボーリング調査図(地盤の様子を示した図。マンションの敷地の地盤となる堅い地層(支持層)が地下何mにあるかを確認できる。支持層とは、地盤の堅さを表すN値が50以上の層が5m以上続く地層のことをいいます)
・床伏図(床の構造を描いた平面図。床板(スラブ)の厚さを確認できます。音の問題に影響するため、スラブの厚さは150mm~200mmが理想とされています)

〈設備関係〉
・設備位置図(給排水、電気設備などの使用、配管配線の位置などがわかります)
 

【 不動産鑑定士の眼 】

設計図書(竣工図)は、必ずなければおかしいものです。
施工者は設計図書を見ながら建物を組み立てていくからです。
そして、その設計図書(竣工図)を施主(買主)に引き渡すのは当然です。
なぜなら、どのような建物なのかを示した書類なのですから。
設計図書(竣工図)は、リフォームや修理をする際の重要な資料となります。
また、部材などの詳細が記載されているため、たとえばアスベスト含有建材であるか否かの判定などにも使われます。
したがって、物件を購入する際は「必ず」設計図書(竣工図)の引渡を受けましょう。
なお、新築マンションの場合、一般的にモデルルームには設計図書が置いてあります。
中古マンションの場合でも、通常は管理組合やその理事長、もしくは管理会社が保管しています。
特に2001年8月以降に建設されたマンションなら事業主は設計図書を管理組合に交付しなければならないことになっていますので、必ず管理組合にあるはずなのです。
設計図書にはそのマンションの構造や仕様が詳しく記載されていますので必ず確認しましょう。 

このページの先頭へ