IH(アイエイチ)

IHは英語のInduction Heating(電磁誘導加熱)の略称です。
内部に配置された渦巻き状の磁力発生コイルから発生する磁力線によって渦電流が生じ、金属製の調理器具を発熱させる加熱用調理器具のことをいいます。
オール電化住宅の象徴的な器具として扱われていることからも分かるのように、ガスや火を使わず、電力のみで稼働します。
IHクッキングヒーターの場合、コンロ型の調理器を指します。IHクッキングヒーターなら、直接鍋が熱くなるため、ガスの50%に対してIHは90%という高い熱効率を誇っています。また、鍋が噴きこぼれて火が消えガスが漏れたり、不完全燃焼で一酸化炭素などの有毒ガスが発生する心配も全くなく、またCO2も発生しません。部屋の空気を汚す心配がないことがIH調理器具のメリットです。
電気抵抗が少ないアルミの鍋は、電流は通っても充分な発熱が得られないため使用できないとされていましたが、最近では市販のフライパンやアルミ片手鍋などに対応したタイプも開発されています。ただし土鍋やガラス鍋といった非金属製の鍋は利用できません。
IHクッキングヒーターの他には、IH炊飯器、IH湯沸かし器といった調理器もあります。
 

【 不動産鑑定士の眼 】

IHコンロの場合、火を使わないことから、安全・安心というメリットがとても魅力です。
高齢者住宅など、火の取り扱いにとくに注意が必要な場合におすすめなのはいうまでもありません。

しかし一方で、IHの欠点のことも知っておく必要があります。
IHについては、火力問題と電磁波問題があります。
前者はチャーハンなどの中華料理を考えればわかりやすいと思うのですが、やはり火力が必要な料理はまだまだ難しいですよね。
後者は健康被害の懸念です。
諸説あり、真実はよくわかりませんが、そんな懸念があるというだけでも良い気持ちはしません。
結局、火事の心配とどちらがましか、という比較なのかもしれません。一長一短なんですね。

不動産の価値として考えたとき、IHだからプラスとかマイナスというものではありません。
大切なのは「バランス」なのです。
たとえば、厨房のようなしっかりとした設備を整えていながら、IHコンロが1基あるのみであれば、これはバランスを欠いた不動産と判断します。一方、一戸建の一般住宅の場合には、IHコンロのみでも何の問題もありません。
つまり、不動産の価値として考える際は、IHに関しては個で判断するのではなく、全体のバランスで判断する要素なのです。 

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